正月飾りのみかん（橙）の正しい付け方とは？意味・期間・処分まとめ

お正月の玄関を明るく彩る「しめ縄飾り」。

その中央に付けられているみかん（実は“橙”）には、昔から「代々家が続くように」という思いが込められています。

この記事では、正月飾りのみかん（橙）の正しい付け方をはじめ、飾る期間や外すタイミング、処分の仕方までをわかりやすくまとめました。

伝統を大切にしながら、現代の暮らしにも合う飾り方を知ることで、より気持ちのよい新年を迎えられます。

正月飾りのみかん（橙）とは？違いと意味をわかりやすく解説

お正月に飾るしめ縄には、鮮やかなオレンジ色の果実が付いていますよね。

多くの方はこれを「みかん」と思っていますが、実は「橙（だいだい）」という別の果物なんです。

ここでは、橙とみかんの違いや、なぜ正月飾りに使われるようになったのかを分かりやすく見ていきましょう。

しめ縄についているみかんは実は「橙（だいだい）」

しめ縄の中央に飾られている果実は、一般的なみかんより少し大きく、色も濃いめです。

この果実は「橙（だいだい）」と呼ばれ、2年から3年ほど木から落ちずに残る性質を持っています。

その特徴から、昔の人々は「家が長く続くように」との願いを込めて、橙を正月飾りに取り入れたといわれています。

橙は“代々”に通じる言葉であり、家族や暮らしが途切れず続くことを象徴しているのです。

果物の名前	特徴	正月飾りでの意味
みかん	皮が薄く、香りが甘い	彩りとして使われることが多い
橙（だいだい）	木に長く残る・やや酸味が強い	「代々続く」縁起の象徴

「代々家が続く」につながる縁起の良い理由

橙が木から長く落ちないことは、「家族のつながり」や「暮らしの安定」を表すと考えられてきました。

また、その鮮やかな色は太陽の象徴とされ、年のはじまりを明るく照らす意味もあると伝えられています。

つまり、橙は新しい年を迎えるしるしとして最適な果実といえるのです。

橙の象徴すること	意味する願い
落ちにくい性質	長く続く関係や安定した暮らし
オレンジ色	明るさ・希望・前向きな一年

橙が正月飾りに使われるようになった背景

橙が正月飾りに使われるようになったのは、古くからの暮らしの知恵と美意識が合わさった結果といわれています。

冬でも鮮やかな色を保つ橙は、家の入口を彩り、年の節目を感じさせる存在になりました。

「飾ることで新年を迎える気持ちを整える」という役割もあると考えられています。

つまり橙は、ただの飾りではなく、「新しい一年のはじまりを感じるための象徴」なのです。

使われ始めた理由	人々の思い
木に長く残る性質が縁起が良いとされた	家族のつながりや幸せを願う
鮮やかな色が正月にふさわしい	明るい一年を願う気持ちの表れ

橙は、見た目の美しさと意味の深さが調和した果実です。

次の章では、この橙をどのようにしめ縄に付ければよいのか、具体的な付け方を紹介していきます。

しめ縄飾りのみかん（橙）の正しい付け方

せっかくの正月飾りなら、見た目も整えて飾りたいですよね。

ここでは、しめ縄に橙（みかん）を取り付けるときの基本的な方法と、見栄えをよくするコツを紹介します。

手軽なやり方から、少しこだわった付け方まで、順に見ていきましょう。

針金・糸・水引を使った取り付け方法4選

しめ縄に橙を固定するには、道具の選び方がポイントです。

以下の4つの方法を覚えておくと、誰でもしっかり取り付けられます。

方法	使うもの	特徴
① 糸で貫通させて結ぶ	太い針・タコ糸	しっかり固定でき、外れにくい
② 針金で十字に縛る	細めの針金	簡単で見た目がすっきり
③ 紅白の水引で結ぶ	紅白水引・はさみ	伝統的で華やかな印象
④ 竹串を使って固定する	竹串・麻ひも	自然素材でやわらかい雰囲気

どの方法でも、橙の中心をしっかり通すことが大切です。

針金を使う方法が最も手軽で安定しやすく、初心者にもおすすめです。

しっかり固定するためのコツと注意点

取り付けるときは、風や雨に負けないように少し強めに固定します。

ただし、果実を強く押しつぶしてしまうと形が崩れてしまうため、力加減に気をつけましょう。

しめ縄の中心よりやや上に橙を配置すると、全体のバランスが整いやすくなります。

ポイント	理由
しっかり固定する	風で落ちにくくなる
形を崩さない	見た目を美しく保つ
中心よりやや上に配置	全体の重心が整う

強く結びすぎず、果実をやさしく包むように固定するのがコツです。

見た目もおしゃれにする飾り方の工夫

少しアレンジを加えると、より華やかな印象になります。

紅白の水引を交差させて十字に結んだり、橙の根元に緑の葉を添えたりするのもおすすめです。

飾りのバランスを整えるためには、橙の両脇に「紙垂（しで）」や「ゆずり葉」などの装飾を加えると全体が引き締まります。

アレンジのアイデア	印象
紅白の水引を十字に結ぶ	華やかで格式のある雰囲気
葉や昆布を添える	自然で落ち着いた印象
針金を金色にする	モダンでおしゃれな見た目

橙の位置と飾りのバランスを意識するだけで、ぐっと完成度の高い正月飾りになります。

次の章では、この橙をいつ飾り始め、いつ外すのがよいのか、期間とタイミングについて見ていきましょう。

みかん（橙）を飾る期間と外すタイミング

正月飾りをいつ飾り、いつ外すかは、昔から大切にされてきた習わしのひとつです。

ここでは、飾り始めの時期と外すタイミングをわかりやすく紹介します。

しめ縄飾りを整える際の目安として、覚えておくと便利です。

飾り始めるのはいつが良い？

一般的に、しめ縄飾りは12月28日までに飾るのが良いとされています。

28日は末広がりの「八」が入ることから、年を迎える準備の日として縁起が良いといわれています。

29日は「苦（く）」の音に通じるため避け、31日は一夜だけの飾りになるため控えるのが一般的です。

早めに飾ることで、気持ちにもゆとりを持って新年を迎えられます。

日付	意味	おすすめ度
12月26〜28日	年末準備に最適な時期	◎
12月29日	「苦」に通じるとされる	×
12月31日	一夜だけの飾りになる	△

外す時期と縁起の考え方

飾りを外す時期は「松の内」が目安になります。

松の内は地域によって異なり、関東では1月7日、関西では1月15日までとされています。

どちらも年始のあいだに新年を祝い、その後に飾りを片づける流れです。

目安としては、七草粥を食べるころに飾りを外すと覚えておくとわかりやすいでしょう。

地域	松の内の期間	外す日
関東	1月1日〜1月7日	1月7日
関西	1月1日〜1月15日	1月15日

外す日を忘れずに決めておくと、慌てずに次の準備へ進めます。

地域によって異なる期間の違い

地域差があるのは、年の節目を大切にする考え方が少しずつ異なるからです。

たとえば、雪の多い地域では準備に時間がかかるため、15日まで飾る場合が多いといわれています。

一方、都市部では7日ごろに片づける家庭が多く見られます。

自分の地域や家庭の習慣に合わせて、気持ちよく続けられる形を選ぶのが一番です。

地域	特徴	一般的な外す時期
北海道・東北・関東	早めに片づける傾向	1月7日ごろ
近畿・中国・四国・九州	ゆっくり飾りを楽しむ傾向	1月15日ごろ

どの地域でも共通しているのは、「新しい年の節目をていねいに迎える」という思いです。

次の章では、外したあとに橙をどう扱うか、処分や活用の仕方について見ていきましょう。

処分方法とみかんは食べられるの？対応の仕方まとめ

しめ縄飾りを外したあと、橙（みかん）をどうすればよいか迷う方も多いですよね。

ここでは、処分の方法と、橙を食べたり活用したりする際の考え方を紹介します。

正月が終わったあとも、ていねいに扱うことで気持ちよく一区切りをつけられます。

どんど焼き以外の処分の仕方

地域によっては、1月中旬ごろに行われる「どんど焼き」で正月飾りを燃やす習慣があります。

しかし、最近ではマンション暮らしなどで持ち寄るのが難しい場合もありますよね。

その場合は、次のような方法を選ぶとよいでしょう。

処分の方法	手順
1. 自宅でていねいに片づける	飾りを外し、白い紙に包んで感謝の気持ちを込めて処分する。
2. 神社の納め所に持参する	年始に受け付けている場合があるので確認してみる。
3. 橙を別にしてリメイクする	香りや色を楽しむ用途に再利用する。

どの方法を選んでも、飾りを大切に扱う気持ちがあれば十分です。

食べても大丈夫？判断のポイント

しめ縄に使われる橙は、観賞用として作られていることが多く、食用かどうかは分からない場合があります。

見た目がきれいでも、収穫時期や保存環境によって状態はさまざまです。

そのため、食べるかどうかは香りや表面の状態をよく観察してから判断するようにしましょう。

状態	判断の目安
色が鮮やかで皮にハリがある	料理や香り付けに使える場合もある
皮がしわしわ・変色している	食用には向かない
飾ってから時間が長い	観賞としての役目で終える

「食べてもよいか迷う」ときは、飾りとして役目を終えたと考えて処分する方が無難です。

食べない場合の活用アイデア（香り・入浴など）

橙は、食べる以外にも香りや見た目を楽しむ方法があります。

たとえば、お風呂に入れて「橙風呂」にすれば、さわやかな香りが広がってリラックスできます。

また、皮を乾燥させてポプリやサシェ（香り袋）にするのもおすすめです。

活用方法	楽しみ方
橙風呂	お湯に数個入れて香りを楽しむ
ポプリ・香り袋	皮を乾かして布袋に入れる
観葉インテリア	小皿やかごに飾って自然の色を楽しむ

飾り終わった橙も工夫次第で、季節を感じるアイテムとしてもう一度楽しめます。

次の章では、これまでの内容をまとめ、正月飾りを整えるポイントを振り返りましょう。

まとめ｜しめ縄のみかんを正しく飾って気持ちよく新年を迎えよう

ここまで、しめ縄に飾るみかん（橙）の意味や付け方、期間、そして処分の方法までを見てきました。

最後に、今回の内容を整理して、来年以降の参考にできるよう振り返りましょう。

この記事の要点3つ

ポイントを簡単にまとめると、次の3つです。

要点	内容
① 橙の意味を知る	「代々家が続く」に通じる縁起の果実で、正月飾りの象徴。
② 付け方を工夫する	針金・糸・水引で中心にしっかり取り付け、見栄えを整える。
③ 期間と処分もていねいに	松の内を目安に外し、感謝の気持ちで片づける。

この3つを意識すれば、しめ縄飾りがより美しく、意味のあるものになります。

縁起を大切にした正月飾りの楽しみ方

橙をしめ縄に飾る行為には、「一年を新たに迎える気持ちを形にする」という意味があります。

つまり、飾り方そのものが、自分や家族の心を整えるひとつの時間なのです。

忙しい年末こそ、ひと息つきながら飾りを整えると、気持ちがすっと落ち着きます。

飾りを楽しむヒント	ポイント
付け方を工夫する	紅白の水引や葉を添えて個性を出す
期間を守る	飾る日・外す日を事前に決めておく
片づけもていねいに	白い紙に包んで感謝を伝える

形だけでなく、その背景にある思いを知ることで、正月飾りはもっと特別なものになります。

一年のはじまりにふさわしい空間を整え、気持ちのよいスタートを切りましょう。