渡し忘れ時の送付状マナー｜信頼を守るお詫び文と書き方のコツ

「うっかり渡し忘れてしまった…」そんな経験、誰にでもありますよね。

でも、ただ送り直すだけでは、相手に十分な誠意が伝わらないことがあります。

そこで大切なのが、ひとこと添えるための「送付状」です。

送付状を添えることで、単なるミスの報告ではなく、丁寧に気持ちを伝える機会に変えられます。

本記事では、渡し忘れた際のお詫び送付状の正しい書き方や文例、気をつけたいマナーまでを分かりやすく解説します。

小さな気遣いが、信頼を守る大きな一歩になる。

そんな想いを込めて、誰でもすぐに実践できる「誠実な対応のコツ」をお届けします。

渡し忘れたときに送付状は必要？その理由を解説

書類や商品を意図せず渡し忘れてしまったとき、「再送すれば大丈夫」と考えがちですが、実はそれだけでは十分ではありません。

この章では、なぜ「送付状を添えること」が信頼を守るうえで大切なのかを、分かりやすく解説します。

なぜ「お詫びの言葉」を添えるべきなのか

たとえ小さな行き違いであっても、相手にとっては「予定が狂ってしまった」「連絡がなかった」と感じることがあります。

そんなときに、送付状で一言でもお詫びを添えることで、相手の不安を和らげ、誠実な印象を与えることができます。

送付状は、ただの書類ではなく「思いやりを伝えるメッセージ」なのです。

たとえば、電話で謝るよりも、文字で丁寧に伝えることで、冷静さと真摯な気持ちがより伝わります。

対応の仕方	相手に与える印象
送付状を添えずに再送	形式的・そっけない印象
簡単な送付状を同封	最低限の誠意が伝わる
丁寧な送付状で説明・お詫び	誠実で信頼できる印象

送付状が信頼回復につながる理由

送付状を添えることで、「きちんと対応してくれた」という安心感を相手に与えられます。

これはビジネスでも日常でも同じで、言葉を添えることで相手の受け取り方がまったく変わるのです。

また、文面に「今後はこのようなことのないように努めます」と加えることで、前向きな姿勢を伝えることができ、信頼関係を取り戻すきっかけにもなります。

つまり、送付状は単なる「形式」ではなく、信頼をつなぎ直すための大切なツールなのです。

ポイント	意図
お詫びの一言を入れる	誠意を伝える
経緯を簡潔に説明する	相手の不安を解消する
再発防止を一文加える	今後の信頼を築く

お詫び送付状の正しい書き方と基本構成

この章では、実際に送付状を書くときに「どんな順番で、何を入れればよいか」を整理します。

文章の長さや言葉選びを少し工夫するだけで、全体の印象がぐっと丁寧に見えます。

送付状に入れるべき5つの要素

送付状を書くときは、以下の5つの流れを意識するのが基本です。

項目	ポイント
① 宛名・挨拶	季節の挨拶や感謝の言葉を添える
② お詫びの言葉	率直に「ご迷惑をおかけしました」と伝える
③ 経緯の説明	簡潔に「確認不足でした」と述べる
④ 再送の案内	「本日、改めてお送りいたします」と明記する
⑤ 結びの言葉	今後の再発防止や感謝の一言を添える

この流れに沿うことで、どんな状況でも失礼のない送付状が書けます。

文面を丁寧に見せる言葉遣いのポイント

文中の言い回しを少し変えるだけで、印象が大きく変わります。

たとえば「申し訳ありません」よりも「深くお詫び申し上げます」とすると、より柔らかく丁寧な印象に。

また、「弊社の不手際により」といった表現を使うと、責任を自分側に置いて誠実さを伝えられます。

避けたい表現	おすすめ表現
すみません	申し訳ございません
気をつけます	再発防止に努めてまいります
入れ忘れました	確認が行き届かずお渡しできませんでした

封筒・書類のマナーで印象を整える

封筒や書類の扱い方ひとつで、印象が大きく変わります。

宛名や会社名を正確に書くことはもちろん、封筒の折り方や字の向きまで整えると、より丁寧な印象になります。

特に宛名の漢字ミスは印象を悪くするため、必ず確認しましょう。

また、同封物が複数ある場合は、文末に「同封書類一覧」を入れると親切です。

マナー項目	チェックポイント
宛名の確認	肩書や漢字を間違えない
封筒の清潔さ	折れ・汚れのないものを使用
同封書類一覧	中身の確認がしやすくなる

「丁寧さ」は文章だけでなく、見た目の整え方にも表れます。

渡し忘れ時の送付状 例文集（紙・メール別）

ここでは、実際に使える送付状の例文と、メールで送る際のテンプレートを紹介します。

「どんな言葉を選べばよいか分からない」という方も、この章を参考にすれば安心です。

書類や商品を渡し忘れたときの送付状例文

まずは、紙の送付状に使える文面の例を3つ紹介します。

どの例も、やわらかいトーンで誠意を伝える構成になっています。

例文①：もっとも一般的なビジネス文
拝啓　〇〇の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。 さて、先日お送りいたしました資料の中に、本来同封すべき書類が不足しておりました。 ご不便をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。 本日、該当資料を改めてお送り申し上げますので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。 今後は同様のことがないよう、社内での確認を徹底してまいります。 まずは取り急ぎ書類送付のご連絡とお詫びまで申し上げます。 敬具

解説：基本的な構成で、どんな相手にも使える文面です。「ご査収のほどよろしくお願いいたします」という表現で、自然に相手の確認を促しています。

例文②：取引先など目上の相手に送る場合
拝啓　時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 このたびは、弊社の確認不足により、一部資料をお渡しできておらずご迷惑をおかけいたしました。 誠に申し訳ございません。 つきましては、当該資料を本状にて送付申し上げます。 お手数をおかけしますが、ご確認のほどお願い申し上げます。 今後は再発防止に努め、より丁寧な対応を心がけてまいります。 敬具

解説：「確認不足により」と原因を明確にしつつも、言い訳にならない自然な表現です。文全体が落ち着いた印象で、目上の方にも安心して使えます。

例文③：社内や親しい取引先へのやや柔らかい文面
お疲れさまです。 先日お渡しした資料の一部に、未同封の書類があることに気づきました。 確認不足でご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。 本日、不足分を同封のうえ再送いたします。 お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします。 今後はこのようなことがないよう、十分注意してまいります。

解説：社内や親しい相手向けに、ややカジュアルな文調です。「お疲れさまです」で始めると、距離感の近い印象を保ちながらも誠実さが伝わります。

メールで送る場合のテンプレートと注意点

メールの場合は、件名・本文ともに簡潔さと丁寧さのバランスが大切です。

ここでは3つのテンプレートを紹介します。

テンプレート①：一般的なビジネスメール
件名：資料送付の件（お詫びと再送） 本文： 〇〇株式会社　〇〇様 いつもお世話になっております。 先日お送りいたしました資料の一部に不足がございました。 確認不足によりご不便をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。 本日、不足分を添付し、お送りいたします。 ご確認のほどよろしくお願いいたします。 今後は再発防止に努めてまいります。 〇〇株式会社　〇〇

テンプレート②：社内連絡用（やや簡潔）
件名：資料再送のご連絡 本文： 〇〇様 お疲れさまです。 先日お渡しした資料に不足がありましたため、再送いたします。 ご迷惑をおかけしました。 添付の内容をご確認いただけますと幸いです。 よろしくお願いいたします。

テンプレート③：取引先向け・より丁寧な文面
件名：書類再送のご案内とお詫び 本文： 〇〇株式会社　〇〇様 平素より大変お世話になっております。 このたび、先日お送りいたしました資料に一部不足がございました。 ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。 本日、不足しておりました内容を、添付ファイルにてお送りいたします。 お手数をおかけしますが、ご確認くださいますようお願い申し上げます。 今後は確認体制を見直し、再発防止に努めてまいります。 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

解説：メールでは件名で要件を明確にし、本文では「添付」「再送」「お詫び」などのキーワードを整理して書くのがポイントです。長文よりも、誠実かつ簡潔な文面が印象を良くします。

再送のタイミングとフォローのコツ

次に、送付状や再送対応を行うときの「タイミング」や「フォローの仕方」について解説します。

対応の速さやひとことの気遣いで、印象は大きく変わります。

いつまでに送るのがベスト？

渡し忘れに気づいたら、できるだけ当日中または翌日中に再送するのが理想です。

対応が遅れると、相手に「気づいていなかったのかな」と不安を与えることがあります。

発送が遅れる場合は、事前に一言「本日中に発送予定です」と伝えておくと、誠意が伝わります。

対応スピード	印象
当日中に再送	誠実で迅速な印象
翌日対応	問題なし（一般的）
2日以上経過後	フォローの言葉が必須

受け取り確認で印象を高める方法

送付後、相手から連絡がなくても「無事届いているか」を確認することが大切です。

メールや電話で、「先ほど再送いたしました。お受け取りいただけましたでしょうか」と伝えるだけで、細やかな気遣いが伝わります。

また、確認の際に「今後は事前に内容を二重チェックするようにいたします」と添えると、より印象が良くなります。

フォローの方法	例文
メールで確認	「先ほど再送いたしました。お手元に届いているかご確認いただけますと幸いです。」
電話で確認	「先ほどの資料は届いておりますでしょうか。ご確認をお願いいたします。」

一言の確認が、相手との信頼関係をより強くするカギになります。

より丁寧に伝えたい場合の工夫

ここでは、送付状の内容に少し工夫を加えて、より誠実で印象の良い伝え方を紹介します。

小さな心配りでも、相手に与える印象はぐっと良くなります。

謝意を伝える品を添える場合の注意点

場合によっては、「お詫びの気持ちを形でも伝えたい」と思うこともあるでしょう。

ただし、品物を添える場合はあくまで控えめにし、相手に負担を感じさせないことが大切です。

高価な品や大げさな贈り物は避けるのが基本です。

たとえば、個包装のお菓子や、実用的な文具など、受け取りやすい小物がちょうどよい印象を与えます。

送付状には「心ばかりの品を同封いたしました」とひと言添えておくと、より自然です。

添える品の例	ポイント
個包装のお菓子	気軽に受け取ってもらえる
ボールペン・メモ帳	実用性があり好印象
季節のはがき	気遣いをさりげなく伝えられる

「心のこもったひと工夫」は、形式を超えた温かさを伝える手段です。

今後の信頼回復につなげる表現集

送付状の締めくくり部分に、前向きな言葉を添えることで、印象がさらに良くなります。

謝罪だけでなく、「今後に向けた姿勢」を伝えることで、信頼を取り戻すきっかけになります。

シーン	使える表現例
再発防止を伝える	「今後は同様のことがないよう、確認を徹底してまいります。」
感謝を伝える	「寛大なご対応を賜り、心より感謝申し上げます。」
信頼関係を保ちたいとき	「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」

文の締め方ひとつで印象は変わります。「前向きな気持ち」を示す一文を添えることで、誠意がより伝わります。

まとめ｜渡し忘れたときのお詫び送付状で信頼を守るコツ

最後に、これまで紹介したポイントを整理してまとめます。

送付状は、ただの事務連絡ではなく、信頼を守るための重要なツールです。

書き方の基本を再確認

送付状を書く際は、基本構成を意識してシンプルにまとめることが大切です。

下記のような流れを守ると、どんな相手にも誠実な印象を与えられます。

項目	内容のポイント
宛名・挨拶	季節の挨拶と感謝を添える
お詫び	率直で丁寧な言葉を選ぶ
経緯説明	言い訳にならないよう簡潔に
再送の案内	安心感を与える表現を使う
結び	再発防止や感謝で締めくくる

形式よりも、「伝わる誠意」を意識することが大切です。

誠意ある対応が信頼を生む理由

人は、ミスそのものよりも「その後の対応」で印象を決めることが多いものです。

だからこそ、再送やお詫びの際に丁寧な送付状を添えることが、信頼回復の第一歩となります。

さらに、再発防止への意識を文中でしっかり伝えることで、「誠実に対応する人」として印象に残ります。

対応内容	結果として得られる印象
何も言わずに再送	形式的で印象が弱い
丁寧な送付状を添える	誠実で信頼できる印象
フォロー連絡まで行う	信頼をさらに深められる

たとえ小さなミスでも、丁寧に対応する姿勢が最終的な信頼を生み出すということを忘れずにいたいですね。

送付状を通して誠意を伝えることで、関係を良い方向に導くことができます。

「誠実な一文」が、あなたと相手の信頼をつなぐ架け橋になるのです。