「お子さんの運動会について、感想文をご提出ください」——学校からのお知らせに、ビックリ!!!
さてどう書こう…と戸惑う親御さんも多いのではないでしょうか。あの日の感動や子どもの成長を、どう表現すれば伝わるのか。
この記事では、親が書く運動会の感想文に役立つ構成のコツや具体例をご紹介します。
せっかくだから「ちょっとした」良い感想文を書きたいですよね!
運動会の感想文の基本構成と書き方のコツ

導入・本文・まとめの構成例
親が書く運動会の感想文は、導入・本文・まとめの三部構成が基本です。
それぞれのパートに役割があり、読みやすく心に残る感想文を作るうえでとても重要です。
導入部分では、当日の天気や空気感、周囲のざわめき、子どもの表情や気持ちの変化などを丁寧に描写して、読み手を運動会の情景へと引き込みましょう。
本文では、特に印象に残った競技や我が子の様子、またそこから感じた親としての気づきなどを、具体的に・生き生きと表現するのがポイントです。
観覧席から見た場面や、自分が思わず涙ぐんだ瞬間など、親ならではの視点を交えることで、読み手の共感を得やすくなります。
まとめでは、運動会を通して得た感動や成長への気づき、我が子への温かいエールなどを盛り込み、文章全体を気持ちよく締めくくることが大切です。
親目線のエピソードの盛り込み方
感想文には、親にしか気づけない子どもの成長や努力の姿を盛り込むと、よりリアリティがあり説得力のある文章になります。
以下のように、親目線で気づけるエピソードの例と、それに対する描写のポイントを表にまとめました。
親が気づいた行動や様子 |
描写のポイント |
感情の伝え方の例 |
スタート前に深呼吸をしていた |
緊張を和らげようとする姿を丁寧に描写 |
「自分なりに気持ちを整えようとしている姿に感心しました」 |
目が合った瞬間に笑顔で手を振った |
親への安心感やうれしさを感じた瞬間を表現 |
「心がふっと和らぎ、こちらも笑顔になりました」 |
応援席に気づいてガッツポーズ |
頼もしさや自信のあらわれを強調 |
「小さなガッツポーズに、本人の自信を感じました」 |
また、運動会の前日に緊張して眠れなかった話や、朝の会話で見せたちょっとした自信など、前後のエピソードを少し織り交ぜるのも効果的です。
こうした背景があると、当日の子どもの行動に深みが生まれ、読み手にとっても印象的な感想文になります。
感動を伝える表現の工夫
「感動しました」「嬉しかったです」といった感情の表現だけでは、伝わる印象が弱くなりがちです。
何に心を動かされたのか、どのような状況で感情が生まれたのかを具体的に描写しましょう。
たとえば、
- 「リレーでバトンを落としかけながらも最後まで全力で走りきる姿を見て、思わず涙がこぼれました」
- 「転んでも顔を上げ、泣きながらもゴールまで走り抜いた姿に胸が熱くなりました」
といったように、情景と感情をセットにして表現するのが効果的です。
また、自分の中でどのような変化があったのか、運動会を通して改めて感じた子どもの成長なども加えることで、感想文に深みが生まれます。
親が書く運動会の感想文|そのまま使える例文集

幼稚園・保育園向けの例文
今日は初めての運動会。朝から緊張した様子でしたが、お弁当の中身を一緒に確認しながら、「がんばるね」と小さな声で話してくれたことが印象的でした。開会式ではしっかり手を振って入場し、先生の合図に合わせて元気よくお返事をしている姿に成長を感じました。かけっこでは最後まで一生懸命走り、転びそうになりながらもバランスを取りながら走りきる姿に胸が熱くなりました。ゴールしたときの笑顔と、走り終わってこちらに手を振る姿が忘れられません。家では甘えん坊の一面もありますが、今日は立派に頑張る姿を見て、親として本当に誇らしく、涙が出そうになるほど嬉しい一日でした。
運動会の後半には、玉入れに参加しました。小さな体でかごを目がけて一生懸命玉を投げる姿は、本当に一生懸命で、応援席から思わず「がんばれ!」と声を上げてしまいました。終了後、「いっぱい入ったかな?」と笑顔で話してくれたことがとても微笑ましく、普段よりもたくさんの成長を感じる瞬間でもありました。仲間と協力して取り組む楽しさや、ルールを守って競技する大切さを、自然と学んでくれているようで頼もしく思いました。
閉会式では少し疲れた様子も見えましたが、最後までしっかり立って話を聞き、メダルを受け取ると満面の笑みでこちらを見てくれました。「がんばったよ!」という言葉に、心からの拍手を送りたくなりました。初めての運動会を通して、少しずつ成長していく姿を間近で見ることができたことが、私たち親にとってもかけがえのない大切な思い出になりました。
小学校低学年向けの例文
小学校に入って初めての運動会。数日前から「ダンスの隊形を覚えるのが難しかったけど、頑張ったよ!」と話してくれていました。当日は朝からそわそわしながら準備し、登校前には「今日、転ばないように頑張る!」と宣言していました。ダンスでは元気いっぱいに体を動かし、笑顔を絶やさずにリズムに合わせて踊る姿に、楽しんでいる様子がよく伝わってきました。リレーでもバトンを落とさないよう慎重に走りながら、次の走者にしっかりと渡す場面に成長を感じました。一つひとつの競技に全力で取り組む姿を見て、子どもの可能性や粘り強さを改めて実感しました。小さな体いっぱいに努力する姿が、とても誇らしかったです。
午前中の玉入れでは、クラスのみんなと声を掛け合いながら楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。なかなか玉が入らず苦戦している様子もありましたが、「もう少し!」と叫びながら何度もトライしていた姿に、粘り強さを感じました。競技が終わった後、「一個だけ入ったよ!」と得意げに教えてくれた姿が微笑ましく、嬉しそうな顔が今でも目に焼きついています。
午後の障害物競走では、ロープをくぐったり、平均台を渡ったりと、初めての挑戦にドキドキしていたようですが、最後まで集中を切らさずやりきった姿に大きな成長を感じました。終わったあと、「ちょっと怖かったけど、全部できたよ!」と誇らしげに話してくれた言葉に、頼もしさを感じました。一日を通して、挑戦する気持ちとあきらめない姿勢がしっかりと育っていることを感じる、感動の運動会でした。
小学校高学年(6年生)向けの例文
小学校生活最後の運動会。前日から「明日は絶対に成功させたい」と話し、練習の振り返りを真剣にしていた姿が印象に残っています。6年生として下級生をまとめ、競技の指示や応援の声かけを率先して行っている様子に、大きな成長を感じました。徒競走ではライバルと全力で競い合い、僅差でゴールしたあと、「最後まであきらめなかったから悔いはない」と笑う姿がとても頼もしかったです。特に組体操では真剣な表情で仲間と協力し合い、一人ひとりの動きに集中しながら、見事に最後の大技を成功させました。観客から大きな拍手をもらったときの表情は、一生忘れられない思い出です。努力を積み重ねてきた日々が、今日の姿にすべて表れており、感動にあふれる素晴らしい一日でした。
午前中の応援合戦では、赤組のリーダーとして堂々とマイクを握り、大きな声でエールを送りました。緊張しながらも、下級生に向かって一生懸命に声をかける姿は、これまでとは一味違う頼もしさがあり、親としても目頭が熱くなる思いでした。声が枯れるほど全力で応援する姿からは、仲間を思う気持ちと、運動会にかける強い想いが伝わってきました。
最後の全校リレーでは、学年を超えたチームの一員として登場しました。普段はクラスの中心というわけではない子が、バトンをつなぐ仲間として全力で走る姿に、団結力の強さを感じました。ゴール後に「負けちゃったけど、楽しかった!」と笑顔で振り返る姿には、勝ち負け以上に大切なものを感じたようで、胸がいっぱいになりました。卒業を控えたこの時期に、かけがえのない経験を通して心も大きく成長しているのだと実感した一日でした。
子どもの成長を伝える感想文の書き方・例文

一生懸命な姿に感じたことをテーマに
順位に関係なく、最後まであきらめずに走りきる姿勢は、それだけで胸を打たれます。たとえ1位でなくても、ゴールを目指して精いっぱい走るその姿は、我が子であることを抜きにしても応援したくなるものです。途中でつまずいてしまっても、泣かずに立ち上がって走りきる姿には、成長と努力の跡がしっかりと感じられました。普段はおちゃらけた表情を見せる子どもが、競技のときには真剣そのものの顔をしていたのも印象的で、その表情一つにも日々の積み重ねや練習の成果がにじみ出ていました。子どもが自らの力で壁を乗り越えようとする姿に、大きな感動を覚えました。
仲間との協力・喜び・悔しさをテーマに
団体競技で見せる仲間とのやり取りや連携は、普段の生活ではなかなか見ることのできない貴重な一面です。競技の合間に仲間同士で声を掛け合ったり、作戦を話し合ったりする様子は、ひとつの目標に向かって共に努力する姿そのものです。勝って抱き合って喜ぶ姿や、負けて悔しそうにうつむく姿も、どれもが一生懸命だった証であり、子どもたちが人として成長している証拠です。勝敗だけでなく、そこに至るまでの努力や仲間とのやり取りの中に、学びや成長が詰まっていることを実感しました。協力することの大切さ、相手を思いやる気持ち、感情を素直に表現する姿は、親にとっても学びの多い瞬間でした。
忘れられない思い出の描写をテーマに
- 「開会式での堂々とした入場」
- 「リレーのラストスパート」
- 「応援団での掛け声」
など、忘れられない瞬間を具体的に描くことで、読み手の心にも残る感想文になります。
入場行進では、全身に緊張を感じながらも背筋を伸ばし、列を乱さずに歩いていく姿に頼もしさを感じました。リレーでは、最後の走者がゴールへ向かって全力で走る姿に、観覧席からは自然と大きな声援が送られ、会場全体が一体感に包まれたようでした。また、応援団の子どもたちが声を枯らしながら掛け声をかけ、旗を大きく振る姿も非常に印象的で、運動会の熱気や感動がストレートに伝わってきました。どの瞬間も、子どもたちの真剣さやエネルギーに満ちていて、記憶に残る一日となりました。
親が感想文を書くときの注意点

思い出の取捨選択と描写の工夫
運動会は一日を通してたくさんの出来事があるため、すべてを書き出そうとすると、内容が散漫になってしまいます。
そのため、感想文では特に心に残ったシーンや印象的なエピソードに的を絞ることが大切です。
たとえば、初めてのリレーで全力を尽くして走る姿、応援席から家族を見つけて笑顔を向ける瞬間、あるいは悔し涙を流しながらも最後までやり抜く姿など、ひとつの出来事に焦点を当てて、それを深く掘り下げるように描くと、文章に厚みが出ます。
以下のように、印象的なエピソードの選び方と描写のポイントを表にまとめました。
印象的な場面例 |
描写のポイント |
感情の伝え方の例 |
リレーで転んだが完走 |
動作や表情を詳細に描く |
「胸が熱くなった」「涙が出そうになった」 |
応援席に手を振った |
その瞬間の親の気づきも加える |
「笑顔に思わずこちらも手を振り返した」 |
負けて悔しがる姿 |
感情の変化を追う |
「くやしさを我慢する姿が印象的だった」 |
加えて、出来事を羅列するだけでなく、子どもの様子や表情、周囲の反応、そしてそれを見た親自身の心の動きや感じたことを丁寧に言葉にすることが、読んだ人の心に響く感想文を作るポイントです。
たとえば、「リレーで転んでもすぐに立ち上がり走り続けた姿を見て、思わず胸が熱くなった」など、自分の感情を織り交ぜながら描写すると、より印象的な文章になります。
誤字脱字チェックと丁寧な見直し
感想文を書き終えたら、そのまま提出せずに必ず見直しを行いましょう。
(子供に「ちゃんと見直ししたの?」と普段から言っている手前、誤字があると恥ずかしいですから)
誤字脱字があると、せっかくの丁寧な文章も読み手に伝わりづらくなってしまいます。
また、同じ表現や言い回しが繰り返されていないか、文章のつながりが不自然になっていないかをチェックすることも大切です。
そのためには、
- 時間を空けて読み直す
- 声に出して読んでみる
- 誰かに読んでもらう
といった工夫が効果的です。
声に出して読むことで、書き言葉としては気づかなかったリズムの違和感や言葉のもたつきにも気づくことができ、より自然で伝わる文章に仕上げることができます。
さらに、できれば一度印刷して紙で読むと、画面上では気づきにくい細かなミスにも目が届きやすくなります。
まとめ|感動が伝わる親の感想文を書くために
運動会の感想文は、ただの出来事の記録ではなく、親としての感動や子どもの成長を伝える大切な文章です。
構成を意識し、印象的なエピソードに絞って描写を深めることで、読み手の心にも響く内容になります。以下にポイントを整理しました。
ポイント項目 |
内容 |
構成 |
導入・本文・まとめの三部構成で展開 |
親目線の描写 |
緊張・努力・笑顔などの細やかな変化を描く |
感動表現 |
「なぜ感動したか」を情景とセットで伝える |
見直し |
声に出して読み、リズムや誤字をチェック |
感情を丁寧にすくい取り、我が子への想いを言葉で表現することこそが、素敵な感想文への第一歩です。
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